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28歳。彷徨う歳だ。 世に出て数年、その不合理さが少し見えてきて迷いが始まる。 僕は5年間勤めた会社を辞めた。 仕事そのものや待遇に不満が有った訳じゃない。 ただこのまま此処にいたら、自分の中の何かが滅んでしまう・・・ そんな止まれぬ焦りに背中を押されたのだ。 少しは退職金もある。暫くプータローしたろ〜〜〜。 自分なりに会社では力を尽くした。自己満足かも知れない。 ただ何の未練も無かった。 ロックは相変わらず。CDは増え続けている。 アパートだけは引き払い、連れのマンションに居候だ。 男3人。とてもむさ苦しい。 要は高校からの連れ。奴はパチンコで生活費を稼いでいた。 もう一人。サヤンは外車の修理工。そいつも同郷だ。 シンナーのやり過ぎで、歯が溶けている。 いつもロレツが回らない。 だが天使のように無垢な野郎だった。 その頃だ。父親から連絡が来た。ブラジルから話が来ている。 行ってみないか? ひ〜まを持て余していた僕は軽い気持ちで、 行くよん〜 と返事をした。 別に展望も計画も無い。 海外に出る機会が無かった僕は自分なりの旅の準備を始める。 まだ、iPodなどのポータブル機器が少ない頃だ。 最優先はWalkMan。出来るだけ多くの曲を詰め込み 飛行機に乗った。ボストンバッグ一つの気楽な旅だ。 ただ同行者が二人。彼らとは、帰りのサンフランシスコで別れる。 それが唯一の予定だ。 それからが僕の本当のTripの始まりと、決めていた。 その頃山口冨士夫は、Tear Dropsを結成し、 精力的に動いている。 「 らくガキ 」 が、リリースされて1年位だっただろう。 久しぶりのメジャーアルバムだ。 骨太のGrooveと、黒いボーカルは健在。 青ちゃん、カズ、Big Beatも輝いている。 バンドの春、とても新鮮。一番いい頃だ。 2週間の同行が終わり、僕はお二人に別れを告げた。 さぁ、これからどうしようか・・・ まずはお宿の確保だ。 治安の悪い夜のStreetでの野宿は避けたい。 ダウンタウンの旅行社に飛び込み、安いHotelを探して貰う。 おそらくAmerican Chineseの女性だ。 彼女が何件か、Telを懸けアジトを確保してくれた。 Orinpic Hotel。 サンフランシスコのダウンタウンの外れだ。 真ん前に小さなCafe。 横は、McDonald‘sで、便利もいい。 取りあえず1週間分の部屋代を、Cashで支払った。 後で知ったのだが、全く同じ時期にTearDropsが サンフランシスコで、レコーディングをしていた。 「 Mix‘n Love 」 何故だ??? 同じ時間、近い場所。 おそらくCarならすぐの所にいただろう・・・・ だがそれを知るよしも無かった。 冨士夫はのちに述懐している。 「 スライ&ロビーとは本当に面白かった。イッパツで決めたぜ。 」 僕は一人でヒッピーの聖地ヘイトアシュベリーや、 バークレー、フィッシャーマンズワーフに行った。 少しさびしい。かなり寂しい。だがとても気楽だ。 そんな充実した一週間だった。 そろそろ飽きてきたので、ミネアポリスの友人に連絡を入れDeltaに乗る。 2泊して、あの地、ニューオリンズへ・・・ どんとはいつ此処にきただろう。そんな事が頭をよぎる。 Air Portには、PM:10:45位の到着だ。 すぐに看板を見る。 点灯しているのは数少ない。 ここは勘に頼るしかない。ダイヤルを回し空き部屋と料金を確認。 OK。Come On!! 着いたのは、バーボンストリートのど真ん中の Teep Hotelだった。 寂しいロビーには、黒人女性が一人。緊張する一瞬だ。 幸いシングルが在る。今夜はゆっくり眠れそう・・・ ホッとした時間だった。 それにしてもここAmericaは、不思議だ。 頭蓋の中でずっと、BluesやRockが流れている。 Iggy Pop、Ramons、Rolling Stones Blue Cheer、Muddy Waters, James Gang、Lou Reed・・・・等様々な音が雑多に聴こえてくる。 幻聴か。そうではない。確かに聴こえる。 Jimi Hendrix。 西海岸にはいたが、Eaglsは聴こえなかった。 だが此処ニューリンズでは、Bo Gumbosが呼んでいる。 何故かBruce Springsteenが、何処にもいない。 彼のアルバムはいくつか聞いた。 「 Born In The USA 」 「 明日なき暴走 」 僕は反応しない。来たのはこれだ。 「 Nebraska 」 Springsteenの孤独と諦念、それに逆らう芯。 ズシンとくる。 よし。探しに行く。行先は一つ。Nebraskaの町。 リンカーン。 会えるだろうか? Bruce Springsteenに・・・ 何故、あのアルバムなのか。確かめたい。 その疑問に答えを見つけたい。 ただそれだけで、グレイ・ハウンドの切符を買った。 by Yasuki ( 敬称略、御許し下さい。) |
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