流れ星の夜

「 初めまして。マキさん。私は弾といいます。バンドのマネージメントを
  しています。如何でしたか?」


マキはタバコに灯を付ける。眼下に高速道路のライトが遥か向こうまで伸びて
いる。あの道は何処まで続いているのだろうか・・・・


「 そうね。あのバックなら私も歌ってみたい。ボーカルもいい。
  あのメンバーと対等に渡り合っている。
  でも彼女は何かを隠している。
  それと弾さん、あなたとはどこかでお会いしてる?」


「 はい。昔、蠍座でマキさんを観ました。寺山さんもいた。
  幻想の時代でした。だが現実でもありました。
  まだ多くの人々がこのまま突っ走れの頃です。」


今夜はマキのサングラスが、一層暗い。彼女が周りの空気の
成分を変えている。濃密だ。


「 地下で動いていた? 何か組織に属していたとか。」

「 マキさんのおっしゃっるように、“狼煙”の近くにはいました。
  彼らに依頼されて書類を用意しました。
  でも何に使うかは一切聞かなかった。」


「 わざとね。その方が賢明。それがあなたのやり方?
  あなたは誰かと組むような人じゃない。
  だから生き残った。 」


「 あなたの言うように俺は誰とも組まずに生きて来ました。
  だか、比較的大きなネットワークとは繋がっています。
  その時々に彼らとは一緒に動きます。
  そして、仕事がひと段落したら、消える。
  その繰り返しでした。
  でもこれからは違う。 自分の本当にやりたい事を見つけました。」



美優と樹は、少し離れた所で静かに、飲んでいる。

「 綺麗ね。こうやって夜景を見ながら飲んでいると、空を舞っているみたい。
  樹さんはどう?」


「 僕もこんな雰囲気は大好きです。日常を忘れさせてくれる。
  LIVEとはまた違った良さがあります。」


「 その後蒼音ちゃんはどう?」

「 すごく元気です。それに成長が異常に早い。音に反応するんです。
  産まれたのがあの空間なので、生年月日が判りません。満月だった
  とは思うのですが・・・・多分もう少しで半年位でしょうか。」


「 そう、レックさんが来た日だったわね。後でDr-Kに電話していつ
  だったか聞いてみましょう。どんな音に反応するの?」


「 それが不思議なんですJUNKOさんのベース音と、ひろしNaさん
  の歌声にすごく喜びます。ZINさんのギターも大好きです。」


「 ニプリッツね。私も大好きよ。ホントのおませちゃん。
  可愛い悪魔みたい。」


「 裏窓の最後の曲のひろしNaさんとZINさん、二人のギターは
  本当に凄い。Voなしであそこまで聞きいったのは、ニール・ヤング
  の“Weld” 以来です。」


「 私も一番好きかな~ 彼が、 
 
   Rock&Roll Can Never Die !!

   って歌った時にはグっときたわ。一度でいい。観てみたい。」


マキがボーイさんにバーボンとショートピースを注文している。

「 あのバンドを世に出すのがあなたのやりたい事?
  それだけなの。違うわよね。 本音を言って。」


「 マキさん、今回はそれだけです。信じてはもらえないでしょうが、
  これ程私を気にさせてきた者はこの世で初めてです。
  それにはマキさんのお力が必要です。」


「 私はいつも本気よ。だって失礼でしょ。わざわざ時間を
  さいて私の歌を聴きに来てくれる人々にね。
  あなたの言っている話は辻褄が合わない。
  本気なら私に頼んだりしない。
  あなたはまだ何も解っていない。
  彼女に私は必要ない。
  それが私の答えよ。」


「 紗和にやらせろと言う事ですね。」

「 はい。おしまい。今夜は朝まで付き合ってね。私はお話しが
  大好きよ。」


「 蠍座でマキさんは、その歌声で色を描いていた。私にはそう
  見えたんです。ラリってはいません。シラフです。
  あなたの声はまるで絵画を描くように空気を振動させていた。」


「 私も絵は好きよ。自分も唄っている時は何かの映像に入り込んで
  いるような時が確かにある。後、フォロ―してくれるメンバーの音
  に酔いしれているのもあるわね。」


「 やはりマキさんのような歌い手とプレイしたいと思うんじゃない
  ですか。もし私がプレイヤーなら一緒に何か演ってみたい。」


「 弾さんは何か出来る? あの子たちは?」

「 美優のピアノは優秀です。ブルーノートは弾けます。樹はギターを少し。
  私はドラムなら何とか。」


「 いいじゃない。ここはもう飽きた。どこかいい所ある?」


「 すぐ近くに友人のスタジオがあります。ルイズルイスです。
  そこなら何でも揃っています。」

 
「 入れるの?」


「 大丈夫です。鍵は付いていません。ダイヤルです。ただ守衛が二人います。」

「 ふ~ん・・・金庫みたいね。じゃぁ4人で強盗に入りましょうか?」

「 では、リムジンとマシンガンを用意します。」

「 宜しくね。」

こんなに楽しい夜はめったに無い。弾にも意外な展開だ。
星が流れている。数え切れない。


 3つの星に乾杯・・・・  遊びに行くぜ!!!!                   
                               流れ星の夜

  

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