友よ、暫しお別れ・・・また会えるよ!!!

まだ気温が上がりません。春はまだ遠いのでしょうか?

僕の周りで昨年から、人事異動が多発しています。

あなたはどうですか?もし近しい人が遠くへ転勤になってしまう。

そして仕事だけではなく、自分の知らぬ処でその人が支えになっているとしたら・・・

関係性は様々です。僕は、その人のハートを見つめています。

それはお互いだと思います。

今夜は僕の最も近しい2人のお話をしたいと思います。

去年の3月の事です。決算を控えて業界はバタバタしていました。

月曜日、いつものようにA社に発注を入れようとします。

朝一番の電話。その時です。まさしくA社から電話が来ました。

多くの方々もそんな経験がお在りだと思います。

不思議な事ですが、同時に連絡を取ろうとする。

何か引力に引っ張られているようです。

「 おはよう~ちょうど電話しようと思とった。どしたん?」

「 社長から先にどうぞ・・・」

「 いや、F氏、先に言うて。」

「 すみません。先程正式に辞令が出ました。オーストラリアです。」

僕は絶句します。微かに予想はしていました。

ただこのタイミングとは・・・・・

「 そうなん。やっぱり。でもホンマになったらショックやなぁ~

「 僕も同じです。社長には本当に御世話になりました。」

次の言葉が中々出て来ません。

「 そんでいつから?」

「 赴任は、一応4月15日です。ただ準備が在るので、
  3月末には向こうにいると思います。」


「 では、それまでに食事をお願いします。F氏、いつ空いてる?」


3月10日だ。余り時間が無い。早く決めよう。

「 今週の金曜日は、どうでしょう?」

「 解りました。そうしましょう。」

彼がこちらに来てから、A社との関係は一層親密になった。

初めて来社してくれた時、彼はこう思ったそうだ。

「 何だ。普通の家じゃん・・・」


理解の速いF氏は瞬く間に僕の性格や動きを見抜き連携を取るようになります。

一日で10回を超える遣り取りをする。

そんな関係になるのに2カ月は掛からなかったでしょう。

赴任してから、2年がたった頃の事です。

僕とF氏は、窮地に陥っていました。南米からの商品が来ません。

国によってはよくある事です。

しかし冬支度を始めているこの時期は一番まずい事態になりかねません。

「 F氏、どうしょうか? 
このままやったら空売りになってしまう・・・
  僕も探すけど、そっちも全力でやって。」


「 了解です。ベストを尽くします。」


その会話は水曜日でした。黙々と時間が押し迫ります。

今週が最後の期限です。僕はもう諦めかけていました。

別の方向からアプローチするしかないのか・・・・

金曜日の夜です。友達と会食しお酒を飲みながら話をしていました。

いつものバーです。携帯が鳴りました。

時計を見ると10時を過ぎています。

F氏からでした。

「 しゃっちょ~~在った!!山口県の倉庫に在りました~~」

何と言う営業マン・・・僕は絶句してしまいました。

「 よう、見つけたなぁ~~凄い。 」

それしか懸ける言葉が見つかりません。

「 すぐに引っ張ります。来週火曜日には、入庫できるかと思います。」

「 ホンマ、有難う。」

どんな言葉にも勝る行動です。

僕に強烈なインパクトをくれました。

彼はカラオケが大好きで、3~4時間は当たり前です。

部下の人達もみんなシラフです。誰も人の歌など聴いていない。

そんな集団でしたが、僕はその我儘さが、大好きでした。

しかしいつかはこの地を離れる時が来る。解っています。

ただそれがいつかは解らない。それなら今を一緒に楽しもうぜ!!


それが僕らのスタンスでした。

そして来ました。F氏の転勤です。

A社のメンバーとは、離れF氏を自宅迄送ります。

「 いろんな事が、在ったなぁ~F氏がおらへんかったら今のうちは無い。」

「 そんな事ないですよ~」

明るい笑顔が、見えるようでした。

「 僕の方こそ色々助けて頂いて、感謝しています。」

その後どんなお話しをしたかはもう憶えていません。

このままもう少し車で話をしていたい。それがどんな内容でもいい。

そんな想いがよぎります。しかしそれは許されません。

彼のマンションが見えて来ました。もう二人は無言です。

静かに停車します。

「 F氏、ほんまにありがとう。それしか言えん・・・」

「 こちらこそ。まずは御身体を。有難うございます。また会えますよ!! 」

バックミラーの中の彼は、僕が見えないようになるまで頭を下げていました。

逆だ。F氏。僕の方こそ頭を下げなければならない。

僕はもう振り向かず、心の中でお別れを告げました。

彼の前では決して見せる事の出来ない感情が一気に襲ってきます。

フロントガラスが曇って見えにくい・・・・

暫く停車し、ハンドルに手を懸けうつむいていました。

初春のよく晴れた暖かい夜だったのを憶えています。


そして今日です。最も親しく、厚かましい野郎から連絡が在りました。

「 毎度~どんなん? 」

「 今、話出来ますか?」

「 出来るからでてる、何か在った?」

「 辞令です。」

予想だにしませんでした。彼はノーマークです。

「 まさか、転勤??」

「 さっき、出ました。そんでYさんのスケジュ―ルを聴きたいと思って。」

いきなりのパンチは効きます。答えようがない。

今、彼程僕の事を理解し力になってくれる人はいません。

友と呼べます。

当然、仕事とプライベートはわきまえています。

ただそれだけじゃない。解り合った上で何でも言い合える間柄です。

やはりそんな人が多くいるはずも在りません。

彼はそんな中でも特別なうちの一人です。

お付き合いもう、6~7年になるでしょうか。

初めて在った時からこいつは頑固に違いない、そう確信しました。

それは今も変わりません。

日々の会話は勿論、度々ぶつかった事も在りました。

しかし翌日には、二人共カラッとしています。

そんな爽やかな奴でした。

彼と彼の彼女とは、よく遊びに行きました。

食事は勿論、ドライブ、カラオケ、光る小道に行った事も在りました。

とてもお似合いのカップルだと思います。

彼女が彼を見る眼がいい。優しく暖かく穏やかなのです。

そんな彼らと離れなければならない。僕は一番に、嫁さんに伝えます。

最初は、実感が無かったのかも知れません。

少したって、搾り出すように言いました。

「 一番、寂しい。堪らん・・・・」


嫁さんの気持ちは解ります。

何度も会い、話し仕込み、分かち合えた時間が最も多い二人なのです。

僕も言い知れない気分になって来ました。

無性に誰かと話したい。ふと北の友人の顔が浮かびます。

「 J氏、元気? 今日休みちゃうん?」

「 はい。どうしました?」

「 うん、H氏が転勤になるみたい・・・・」

「 最近多いですね~それは仕方が無いですね~」


やはり友は頼りになる。動揺が収まって来た。

「 何かの変わり目なんやろなぁ~」

「 そうですね~。こんな時代です。」

寡黙な彼の心使いが伝わってきます。

「 また、電話するわな~有難う。」

「 ええ。いつでもどうぞ。」

まだ時間は在ります。ただそんなに沢山ある訳でも無い。

ただ今回は、特別かも知れません。

何度も話し合い、幾度も論戦になり、結局物別れ。そしてブチ切れる。

それでも信じています。

H氏の人柄、そして彼女の美しく真っ直ぐに彼を見つめる瞳。

最後にもう一度二人に会いたい。そしてお礼を言いたい。

楽しく、明るく、笑いあえた時間を共有できた事に。


そして、何処へ行こうが僕らが友で在る事を忘れないでいて欲しい。

お二人に心から感謝の念を憶えています。 

          
                           by Yasuki  


http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=UaL8qwgUrLk

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